前回 #1「アサイーとの出会い:衝撃だったのはそのバックグラウンド」はこちらから
~前回からの続き~
石川)栄養面や機能面などを裏付けるサイエンスはもちろん大事です。ですが今は解明されていなくても「そこにある事実」に基づく大事なことがあると私は思っているんです。
石川)今の自分がどう快適に生きるか。
今というこの環境とどう調和させてあげるか、というところに知恵を使うべきで、例えば夏となれば、この暑さはアサイーが育つ熱帯の環境につながるわけです。
部位でいうとアサイーの実は大事な遺伝子をもつ種と、それを包む皮や果肉でできています。暑さや赤道直下の紫外線から種を守っているから、皮や果肉は身体を守ってくれるはたらきをしてくれるのではないかと思うのです。つまり、暑い時期の土用の丑の日にうなぎを食べるように、アサイーもぴったりなのだと思います。
花井)まさしくぴったりですよね!
石川)そうそうほんとほんと!だから夏こそ、熱帯の環境ではたらいているアサイーの力を借りましょう。ということじゃないかな。
花井)対談を始めてまだ間もないのに、早々と結論が出てしまいましたね。僕の立場が・・・笑
石川)例えば、エネルギー補給をしたい場合は、アサイーにもエネルギーはあるけど、さらにエネルギー源を多く含むバナナを足す、という様に考えて自分の体を中心にアレンジしていけばいい。
食としての位置づけを忘れちゃいけなくて、それはただ、美味しいとかではなくて、それがたぶん共生するってことなんじゃないかな。だって、私たちって食物連鎖の一番最後だから。
花井)アサイーが過酷な環境の中で育てられていて、その皮や果肉に体を守る栄養素が入っているというイメージがあって、石川さんの引出しにある数ある機能性食材の一つにアサイーが入ったのですね。
石川)そうなんです。感覚的に絶対いいと思いましたし、自然界のなかで育ったということは、つまり現存して結果を出した事実ということで、人工的につくられたサプリメントとか人の脳が考えることとは異なる気がします。科学的に実証されればいいけど、それは科学的にわからないんじゃなくて人が追い付いていないだけなんだと思う。
花井)確かにそうですよね。薬膳や漢方は科学的な根拠がなかったりするのに、そのものの育つ環境などからそれぞれ役割が決められていて、古くから人々に用いられてきたことで薬効が認められてきた。昔からこう食べられていましたとかいう慣わしなども説得力がありますね。
石川)そういう風に自然のなかで育って、枯れないでそこにある。ということは、それは間違いなく良いはたらきをしてくれるということだと思う。それからカプセルやタブレットなどの人工的なサプリメントで摂るよりも食品で摂ることができたら、選手たちの精神的な不安も軽減できるしいいなぁ~と思って。
花井)食べ物だから安心して摂れますよね・・
石川)それもありますが、栄養が足りないとどうしてもそのような粒を渡したりするけれど、「つぶつぶ」を飲まされたり、飲まなきゃいけないということを、ストレスと感じる選手もいるので、なるべく食事から摂るようにしてあげたい。
花井)サプリメントは人工的にその成分だけが抽出されているので、即効性があるということは、視点をかえると体に負担をかけるんじゃないかなという気がしますよね?
石川)サプリメントとして優秀なものもあるんです。私も活用しているものもあります。でもさっき言ったように、熱帯の過酷な環境で生殖している事実の方がアドバンテージが高いから、その力を借りたらいいんじゃないのかな。。って。
植物が出した結果から得たヒントだから、迷うことがない、シンプルな考え方なんです。
花井)アサイーは、地球上で最も過酷なところで生存競争の中で勝ち残っている一番手ぐらいのイメージですよね。
石川)だって、アサイーは20mも高いところに実をつけると聞いて、そんな高いところで紫外線を浴びているのに生存しているってすごいでしょう。
矢面のところにいて自分で自分の身を守るしかない。あの位置にいたら、それは水分も飛びますよね、と思うし、皮も固くなりますよ、と。植物が出した「結果」に価値があるんです。
単純ですけどね。あまりにも 笑
花井)「自然とともに生きる」の石川さん流、栄養の考え方ですね。
石川)サイエンスはすごく大事ですよ。 サイエンスの発展としてサプリメントが出てきて、どんなシチュエーションでも使いやすくなって。その場合食べる物と同じではないけれど、ものをたべられない状況のなかでもいい状態をつくりましょうというのが科学であり、知恵であり、だからそれはそれで最大限発揮していけばいいと思います。
〜次回へ続く〜